きみきみのぼちぼちいこか~

ケアマネや骨盤からだ丸ごと調整、ご近所の寄り合い場「寄ってっ亭輪楽」開催中

Take a look at this

青空

  04, 2011 15:14
時々思い出す風景がある

まだ老健で勤めていた時のこと。

認知症による帰宅願望のつよい
腕っぷしも強いじーちゃんがいた。

ある朝、認知棟の扉から入ろうとすると、
別の職員から遠回りしていくように告げられた。
ふと別の入り口から入ってみると、

正面玄関の扉を両手でしっかり持ち、
爆睡しているじーちゃん。

そしてかかっている布団(-∀-`; )w

「昨日ね・・・部屋に行こうって誘ってもダメでね、そこで寝たのw」
寝たというより・・・落ちたという状態であるw

そんなぐんぐん歩きまわるじーちゃんも
少しずつ体力の衰えを見せていく。
歩行器が必要になり、

車いすを自分でこぎ
そのうち、介助で移動するようになった。
転ばないように見守りが必要にもなっていった。

ある時、ご飯の準備のため部屋をのぞくと、不在。
隣の談話コーナーで青空を見上げていた。

「○○さん。もうお昼ご飯になりますよ^^」
「うん…」
「空を観ていたの?」
「きれいやなぁ~」
「うんうん、お散歩に行きたいねぇ~。」
きっと外へ出たいというと思ってた。

「…わしは…もう無理や」
(´・ω・`)え?

「そんなことないよ。出ることができるよ。今度お願いしてみるからね」
「…無理なんや…もう、ええんや。」

遠い空を見ながら、今までそんなことを聴いたことがないほど
しっかり話していた。

認知症フロアにいたものの、
この方は、どちらかというと話は通じていた。

ただ、内服薬やいろんなことで混乱するときがあるが
私はこの人が好きだった。

夜中は排泄の時でも自分でおむつを外しちゃって大変なことになるし、
一度帰りたいと思ったら、テコでも動かない
それでも、歌が好きで聞こえてくる場所にいつもいた。

何も…返答できなかった。
無理の意味を問いたかったが、怖かった。
ただ、一緒に空を見上げるしか私にはできなかった。

すると、踵を返し、車いすを押してくれと言わんばかりに背を向けた。

「ご飯食べにいく?」
「うん」
「車いす押しましょうか?」
「ありがとう」

そして、
翌日、じーちゃんの容体が急変した。
レントゲンも撮ったけれど原因はわからないが、
サーチレーションの数値も低い。

看護師も介護職もバタバタと部屋を行き来しては
病院に行ったり、
部屋で様子見たりしていた。

その翌日から私は併設の病院に歯の治療のため入院することになっていたから
退院後知った。
じーちゃんは、私が歯の手術を受けているときに
同じ病院で息を引き取ったと…。

自分の死期が近いことを知っていたんだ。
無理の意味はこういうことだったんだなぁって…。

じーちゃんと見上げた空は
雲ひとつなくて
本当に澄み渡っていた

いつも青空を観るたび思い出す・・・。
  •   04, 2011 15:14
  •  0

COMMENT 0

Post a comment